あるば図書館



LIBROS RECOMENDADOS

スペイン語の練習のためになにか本を一冊読んでみたい、と思ってもなかなか自分のレベルに合って、楽しく読める本を探すのは難しいことです。いつものように、ここあるば図書館では、最近発行された本の中から、比較的読みやすい本、そして現地で話題性のある本を選んで紹介しています。

◆ Encantos de antan~o Maricastan~o, Antonia Herna'ndez Vicente (Amaru' Ediciones)

たまに子供のお守りをさせられるとき、何か歌をせがまれてふと口ずさんでしまうのは、子供の頃に母親が辛抱強く教えてくれた小さな遊び歌。もう随分歌わなくなって久しいのに、すらすらと自然に出てくる歌詞を繰り返しているうちに、まだ舌足らずの小さい子供時代の自分の姿が目に浮かんできます。この小さな本にはそんなスペインの遊び歌、子守歌がいっぱいつまった本。どれも短く、わかりやすいので、すぐ覚えていしまいます。できればスペイン人のお友達に口ずさんでもらいましょう。みんな懐かしがりながら、喜んで歌ってくれるはずです。
難易度★

◆ La tempestad, Juan Manuel de Prada (AMARU'Ediciones)

彼の作品については以前本誌でもとりあげたことがありましたが、今回のこの作品 La Tempestad が97年度の Premio Planeta を受賞しました。今まではすでに著名な作家に与えられていた文化勲章的なこの賞が、初めて弱冠26才の若手作家に与えられたということもあって、話題の作品となりました。一見平凡なヨーロッパの一都市の容貌の奥に、現実と芸術の奇妙な融合を秘める街、ベネチア。そこに生まれたルネッサンス期の画家ジョルジオーニのミステリアスな作品“ラ・テンペスタ”。その研究のために一人真冬のベネチアにたどり着いた若い教授は、到着後間もなくある美術品贋作師の殺人事件に巻き込まれます。その事件の秘密にかかわる人々との出会い、そしてある特別な女性との出会いと恋愛を通して、やがてその事件の奥に隠された陰謀が明らかになっていきます。芸術に対する人間の執着、そして憧憬を超えた一種宗教的な感情ーヨーロッパ(特にイタリアを中心とした)における人と芸術の関わりについて深く思索した作品といえるでしょう。

全325ページ、本の厚さにちょっとひるみますが、スペイン語上級者の人なら、辞書を片手に充分読み終えることができる難易度です。会話表現の部分に日常表現が多いこと、また感情表現、状況描写での語彙が豊かで独特なものなので、読解力と語彙力アップに適した作品といえるでしょう。
難易度★★