冬のスペインにて




EL INVIERNO EN ESPAN~A

 照りつける残暑の太陽に飽き飽きしながら、Tシャツ1枚でうろうろする日が続いていたかと思うと、ある朝、木枯らしの音とびっくりするような寒さで目が覚めるーというのがカスティーリャの野の冬の訪れ。皆慌ててコートを引っぱりだし、カフェテリアのテラスの椅子は取り除かれ、家ではお母さんがこれからやってくる冬の寒さに負けないようにと、コシードやファバーダなど栄養たっぷりの煮込み料理を作るようになります。スペインというとなぜか夏のイメージが強いのですが、真冬の厳しい寒さの中、息を白くしながら歩く街路、凍てつく夜空を照らすオレンジ色の街灯、曇った空につき刺さる教会の塔など、なかなか趣き深い風景にも出会うことができます。空気が乾燥している分だけその寒さは格別ですが、日本の四季のそれぞれに味わいがあるように、この土地の季節にもそれぞれの色彩があるようです。

 特に夏と冬の差がはっきりとしているスペイン、冬の“しみじみ度”は格別です。年の変わりめということも手伝って、あるばが過ごした今年1年間を改めて思い出します。特に今年の夏は国籍を問わず、数え切れないほどの多くの方に事務所を訪れて頂きました。事務所を開設したばかりということもあり、いろいろ不手際もあったのですが、それでも皆さんに満足していただいたようで、その後たくさんのお便りを日本から頂きました。月並ですが、こんなお便りを頂いた時こそ、本当にこの仕事をやってよかったと思うときです。最初はまったくの思いつきで始めてしまったこの雑誌ですが、去年もより多くの方に楽しんで頂けるよう、がんばっていきたいと思います。

 これから寒さは増すばかりでしょうが、カーニバルなど数多くのお祭りが待っています。思う存分この季節のスペインを満喫するためにも皆さんくれぐれも風邪には気をつけてお過ごしください。

後藤美智子